今や銀行に資産を預けていても金利は見込めませんので、将来の資産形成のために投資を行う方が増えています。投資は、株式、FX、不動産などさまざまな形態がありますが、1つの商品に多額の資産をかけるのは怖い方も多いでしょう。
その場合にはアセットアロケーションという方法がリスクを分散できるのでオススメです。アセットアロケーションとはどんな投資で、どう始めるのかを知っておきましょう。リスクについても知っておくと安心できます。
アセットアロケーションとは何?ポートフォリオとの違いとは
まずはアセットアロケーションとはどんな投資商品なのかをおさえておきましょう。似ている商品にポートフォリオがあります。投資する場合に間違えないように整理しておくと後悔せずに投資ができます。
アセットアロケーションの資産クラスは5つ
アセットアロケーションとは、資産(アセット)を配分(アロケーション)する方法を意味します。運用資産をさまざまな商品に分散させるため、リスクヘッジができます。
この投資方法では、以下の5つの資産クラスに資金を分散させます。
①株式
…株主は資金を提供し、株式会社から株式を手に入れ、会社の利益の一部を配当金として受け取ります。株式は国内だけでなく、先進国や新興国など海外の商品も取り扱えます。
②債券
…国や地方自治体がお金を借りるときに発行するのが債券です。債券を持つと定められた利息を受け取ります。債券の期限がくると元本相当が返金されます。株式と同じく、国内外の債券に投資できます。
③不動産
…土地や建物などを購入し、その場所を貸し出して家賃収入を得る方法です。
④コモディティ
…金やプラチナなどの貴金属や原油、穀物などの商品をコモディティにも投資ができます。利息などはつかないですが、価値がなくならないのでインフレ時に強いです。
⑤現金
…現金をそのまま持っていても利益にはなりませんが、損失もありません。何かのときに現金が必要になる場合がありますので、資産の一定割合は現金で保有している方もいます。
ポートフォリオとの違いとは
ポートフォリオも資産を分散させる投資方法ですが、アセットアロケーションとの大きな違いは具体的な金融商品の配分を決める点です。先に述べた資産クラスの中で、例えば国内株式と海外債券を保有したとしましょう。ポートフォリオの場合は、株式の内訳がA株式30%、B株式20%、債券の内訳がC国債券10%、D国債券40%のように具体的な商品ごとに配分をしていきます。
【参考:ニッセイ基礎研究所 戦術的アセット・アロケーション】
アセットアロケーションとは資産の分配!年齢や目標で比率が違う
わからないことは証券会社などに相談する方法もありますが、アセットアロケーションとは何かを知ったところで、目標ごとの分配比率の例などを知っておきましょう。
資産クラスによってリスクが異なる
アセットアロケーションの資産クラスは5つありますが、クラスによって投資リスクが異なります。リスクが高いのは株式や不動産です。株式の中でも海外、特に新興国の商品はリスクが高いです。
反対に安全資産は現金や債券です。株式の中でも国内の商品は為替リスクを考える必要がないため、危険度が下がります。
積極的に資産を増やしたい方
働き盛りで万が一投資がうまくいかなくても挽回できる世代の方は、株式を多めに保有するのが良いでしょう。まずは投資資産と生活に必要な資金を分けて考えます。30〜40代の現役世代は預金が生活費1年分ほどを現金でとっておくと安心です。
安定して資産を守りたい方
50代以降の方はリスクを回避した資産に分配しましょう。現金での保有割合を増やし、株式を減らします。安全資産である債券の割合などを多めにします。
アセットアロケーションとは年齢や働き方で配分比率が変わります。現在は働き盛りで積極的な分配比率にしている方も、年齢とともに収入や状況が変わってくるので、配分比率は定期的に見直しましょう。
アセットアロケーションとはリスクが伴うもの!どう軽減する?
アセットアロケーションとは投資も行うのでリスクがつきものです。リスクを全て回避するのは難しいですが、リスクを最小限におさえながら投資を行う方法があります。
投資するときに知っておきたいリスク許容度
投資を行うさいにどの程度までのリスクなら受け入れられるかを表す指標がリスク許容度です。具体的には、以下のような範囲です。
- 生活に影響が出ない
- 精神的な負担とならない
- 今後の資金繰り(教育や老後)に影響が出ない
自分のリスク許容度がわからないと投資すべき商品を間違えたり、比率を見極められなくなってしまいます。
リスク許容度はどう診断する?
一般的にリスク許容度が大きいと、大きなリスクをとる投資ができます。リスク許容度を判断するさいには次の点が大切です。
- 年齢
- 家族構成
- これまでの投資の経験
- 現在の年収
- 目標
- 資産状況
- 性格
これらの情報を元にリスク許容度を出します。しかし、ご自分で計算すると手間がかかるほか、間違える危険性もあります。そのため、ネット上で利用できる許容度の計算ツールを使用するのがオススメです。質問に答えるだけでご自分のリスク許容度がわかります。
まとめ
アセットアロケーションとは、資産形成の方法の1つで投資のリスクを分散できるのが特徴です。資産クラスは5つあり、ご自身の年齢やどのような目標があるかによって資産を分配する比率を変えます。アセットアロケーションとはリスクが伴う方法です。
始める前にはどの程度までのリスクを許容できるかの指標を知っておきましょう。余計なリスクを避け、目標達成のために必要な投資商品を見極められます。
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